連邦準備制度理事会(FRB)は、議会に提出した最新の金融政策報告書の中で、インフレ率が今春再び加速したと述べた。報告書によると、関税の影響、中東紛争によるエネルギーコストの上昇、そして人工知能(AI)投資の急速な増加が、物価上昇圧力を支えたという。
連邦準備制度理事会(FRB)は、インフレ率が年間を通じて上昇しており、連邦公開市場委員会(FOMC)の長期目標である2%を上回っていると発表した。5月時点で、FRBが重視するインフレ指標である個人消費支出(PCE)価格指数は、目標水準の約2倍に達していた。
しかしながら、労働市場においては相対的な均衡が達成されていることが強調された。6月に発表された失業率は4.2%と低い水準にとどまっているものの、需給バランスは概ね取れているとされた。とはいえ、人口動態の変化が労働市場に影響を与え続けていることも指摘された。報告書では、移民の大幅な減少と高齢化による労働力参加率の低下が、労働供給の伸びを抑制していると強調された。
この報告書は、新FRB議長ケビン・ウォーシュ氏の指揮下で初めて議会に提出される金融政策レビューとなる。ウォーシュ氏は来週、下院と上院の委員会で証言する予定だ。通常春に行われる半期ごとの報告は、前FRB議長ジェローム・パウエル氏とドナルド・トランプ大統領の間の緊張関係のため延期されていた。
米連邦準備制度理事会(FRB)は12月以降、金利を据え置いているものの、インフレ懸念から、年後半の利上げに対する市場の期待が高まっている。
報告書はまた、人工知能がインフレに及ぼす短期的な影響についても指摘した。ウォーシュ氏は、この技術は生産性の向上によって長期的にはインフレを抑制する可能性があると主張する一方で、短期的には電力、半導体、インフラ投資への需要が引き続き物価上昇圧力を高めていることを認めた。


